体罰事件で思い出したこと駒苫の野球部長が、部員をスリッパで叩いたというニュースで、思い出したことがある。 次男が小学3~4年生の時の担任が、 サンダルで子どもの頭を叩いたということを・・。 その女性教師は、かなりヒステリックな人だったようで、 気の弱い次男は、その担任になってからオドオドするようになった。 参観日の時などは、子供たちがとても緊張している様子がわかり、 何となく気になっていたのだが・・。 でも、担任教師が体罰をしているとまでは思っていなかった。 息子の様子が気になったので、学校で何かあるのかと思い、 私は息子に聞いた。 すると息子は「先生がキライだ」と言った。 その理由が、「怒った時に叩いたりする」というのだ。 もう20年も前のことなので、 私は多少の体罰は教育にはつきものだろうという認識であった。 だから、「きっと、悪いことしたからでしょ」などと言ったと思う。 しかし、さらに詳しく聞いているうちに、 それは私の想像を超えていることにビックリした。 子どものランドセルを床に投げつけて踏んだとか、 自分のサンダルを脱いで子どもの頭を叩いたとかいうのである。 それを聞いて最初に私が心配したのは、 息子がそんな仕打ちをされたのか?ということだった。 しかし、それをされたのは息子ではなく、 多少乱暴で先生の言うことを聞かない子のようだった。 それにしても、ランドセルを足で踏んだり、 スリッパで頭を叩くなど、常識で考えても言語道断。 ましてや教育者のやることではないし、許せることではない。 さすがの私も、そこまで聞いたら怒り心頭、 「それは、先生が悪い。お母さんが先生に言う」と言ってしまった。 すると息子は、恐怖で引きつるような顔をして、 「絶対に先生には言わないで!」と泣きそうになった。 その表情には、母親に言ってしまったことへの後悔の色があった。 息子は先生の仕返しが怖いのだと、私はすぐにわかった。 その息子の怯えた表情に、 「わかった。今は先生には言わない」といわざるを得なかった。 それから、私は随分悩んだ。 絶対にそのようなことを容認してはならないし、 そのようなことをされた子どものことも心配だった。 迷った末、私はPTAの役員をしている人に相談した。 すると、彼女もそのことで悩んでいることを知った。 当事者の親からも相談されていたのである。 それから間もなく、参観日の後の学級懇談会でそのことが問題提起された。 この時には、学級委員の招集により、ほとんどの親が懇談会に参加した。 当事者の親が涙ながらに話したり、 「子どもがこのように言っているが・・」という発言があったりで、 はっきり言って担任の説明と反省を求める懇談会だった。 しかし、担任教師は一言も言葉を発しなかった。 弁解もしなかったけれど、謝りもしなかったのだ。 空しい時間が流れ、やりきれない思いで懇談会は終わった。 私は「絶対に先生には言わないで」という息子の顔が浮かび、 怒りで心中は煮えくり返っていたが、何も発言ができなかった。 その後、多分体罰を受けた子供たちの親が、教育委員会に訴えたと思う。 しかし、どのような対処がされたのか、先生への処分はなかった。 息子はそれ以来、私に学校での嫌なことを一切言わなくなったしまった。 その代わりのように 「早く5年生になりたいな・・」と呟くのを何度か聞いたことがある。 自分の履いている靴やスリッパで、 人を叩くことは絶対に許されることではない。 その教師だって、絶対に友達同士ではそんなことはしないだろう。 その行為には、相手への「蔑視」が必ずある。 カッとなって思わず手が出るというのとは、まったく違う。 スリッパをわざわざ脱いで、手に持ってから叩くのだ。 そんなことが発覚したら、 即座にその教師はクビにしていただきたい。 (2005年08月23日 ) |