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マイペース70代

マイペース70代

体罰事件で思い出したこと

駒苫の野球部長が、部員をスリッパで叩いたというニュースで、
思い出したことがある。
次男が小学3~4年生の時の担任が、
サンダルで子どもの頭を叩いたということを・・。

その女性教師は、かなりヒステリックな人だったようで、
気の弱い次男は、その担任になってからオドオドするようになった。
参観日の時などは、子供たちがとても緊張している様子がわかり、
何となく気になっていたのだが・・。
でも、担任教師が体罰をしているとまでは思っていなかった。
息子の様子が気になったので、学校で何かあるのかと思い、
私は息子に聞いた。
すると息子は「先生がキライだ」と言った。
その理由が、「怒った時に叩いたりする」というのだ。
もう20年も前のことなので、
私は多少の体罰は教育にはつきものだろうという認識であった。
だから、「きっと、悪いことしたからでしょ」などと言ったと思う。
しかし、さらに詳しく聞いているうちに、
それは私の想像を超えていることにビックリした。
子どものランドセルを床に投げつけて踏んだとか、
自分のサンダルを脱いで子どもの頭を叩いたとかいうのである。
それを聞いて最初に私が心配したのは、
息子がそんな仕打ちをされたのか?ということだった。
しかし、それをされたのは息子ではなく、
多少乱暴で先生の言うことを聞かない子のようだった。
それにしても、ランドセルを足で踏んだり、
スリッパで頭を叩くなど、常識で考えても言語道断。
ましてや教育者のやることではないし、許せることではない。
さすがの私も、そこまで聞いたら怒り心頭、
「それは、先生が悪い。お母さんが先生に言う」と言ってしまった。
すると息子は、恐怖で引きつるような顔をして、
「絶対に先生には言わないで!」と泣きそうになった。
その表情には、母親に言ってしまったことへの後悔の色があった。
息子は先生の仕返しが怖いのだと、私はすぐにわかった。
その息子の怯えた表情に、
「わかった。今は先生には言わない」といわざるを得なかった。

それから、私は随分悩んだ。
絶対にそのようなことを容認してはならないし、
そのようなことをされた子どものことも心配だった。
迷った末、私はPTAの役員をしている人に相談した。
すると、彼女もそのことで悩んでいることを知った。
当事者の親からも相談されていたのである。
それから間もなく、参観日の後の学級懇談会でそのことが問題提起された。
この時には、学級委員の招集により、ほとんどの親が懇談会に参加した。
当事者の親が涙ながらに話したり、
「子どもがこのように言っているが・・」という発言があったりで、
はっきり言って担任の説明と反省を求める懇談会だった。
しかし、担任教師は一言も言葉を発しなかった。
弁解もしなかったけれど、謝りもしなかったのだ。
空しい時間が流れ、やりきれない思いで懇談会は終わった。
私は「絶対に先生には言わないで」という息子の顔が浮かび、
怒りで心中は煮えくり返っていたが、何も発言ができなかった。

その後、多分体罰を受けた子供たちの親が、教育委員会に訴えたと思う。
しかし、どのような対処がされたのか、先生への処分はなかった。
息子はそれ以来、私に学校での嫌なことを一切言わなくなったしまった。
その代わりのように
「早く5年生になりたいな・・」と呟くのを何度か聞いたことがある。

自分の履いている靴やスリッパで、
人を叩くことは絶対に許されることではない。
その教師だって、絶対に友達同士ではそんなことはしないだろう。
その行為には、相手への「蔑視」が必ずある。
カッとなって思わず手が出るというのとは、まったく違う。
スリッパをわざわざ脱いで、手に持ってから叩くのだ。
そんなことが発覚したら、
即座にその教師はクビにしていただきたい。
(2005年08月23日 )


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